クレジットカードの家族カードを幼い頃から使っていると、「自分の信用履歴(クレジットヒストリー)にプラスになるのだろうか?」と気になりますよね。
日本ではクレジットカードの審査時に、CICやJICCといった信用情報機関に登録された個人の信用情報がチェックされます。そのため、家族カードの利用履歴がどのように信用情報に記録され、将来のカード審査に影響するのかを知っておくことは大切です。本記事では、家族カード利用と信用履歴の関係について、以下のポイントを中心にわかりやすく解説します。
- 家族カードの使用履歴は個人の信用情報に登録されるのか?
- 本人名義ではない家族カード利用は、将来のカード審査にプラスかマイナスか?
- 家族カードの利用歴は、本人名義でカードを申し込む際にどう扱われるか?
- 幼少期からの家族カード利用履歴は信用の蓄積とみなされるのか?
余談ですが、この記事にクレジットカードのアフィリエイトとかついてません。。。
家族カードの利用履歴は信用情報に登録される?
結論から言えば、家族カードの利用履歴は家族カード会員本人の信用情報には登録されません。なぜなら、クレジットカードの契約者(支払い責任を負う人)は本会員だからです。
家族カードで買い物をしても、その支払いは基本的に本会員(親カード会員)の口座から行われます。そのためクレジットカードの支払い実績(クレヒス)は、「支払い責任を負う人」に紐づいて記録されます。
つまり、家族カード会員がいくらカードを利用しても、その利用履歴は本会員の信用情報に反映され、家族カード会員本人の信用情報には残らないです。
図:家族カードの利用額は本会員のカード利用枠に合算されるしくみ(例:本会員の利用可能枠50万円から、本会員利用分25万円と家族カード利用分15万円を差し引くと残枠10万円)
上の図のように、家族カードは本会員のカード枠の中で利用するしくみです。このように家族カードは契約上も利用記録上も本会員のカードに付属する形になっており、信用情報機関が管理するデータ上は家族カード会員個人の新たな借入契約とは見なされません。例えば、実際にCICに情報開示請求をしてみても、自分が家族カードとして利用しているカードの情報は自分の信用情報には表示されません。この点は、日本の信用情報の仕組みとして押さえておきましょう。
家族カード利用が将来のカード審査に与える正負の影響
家族カードを使っていたこと自体は、将来のクレジットカード審査で直接的なプラスにもマイナスにもなりにくいと考えられます。まずプラスの面から見ると、家族カード会員としていくら利用実績を積んでも本人のクレヒス(信用履歴)はまったく育ちません。良い支払い実績をどれだけ積んでも、それが本人名義の記録として評価されることはないため、残念ながら家族カード利用だけで信用スコアが上がったり審査に有利になったりすることはありません。一方でマイナスの面については、家族カード利用によって本人の信用情報に事故情報(延滞や滞納などのネガティブ情報)が登録されることも基本的にありません。仮に家族カードで利用した分の支払いが遅れた場合、その遅延記録は支払い義務のある本会員側に登録されるため、家族カード会員本人の信用情報には傷が付かないのです。
要するに、家族カードの利用は本人の信用情報に「良くも悪くも影響しない」です。
信用情報機関において家族カード会員はあくまで“第三者利用”の扱いであり、利用履歴も延滞履歴も本人名義では記録されません。このため、家族カードを長年使っていても自分自身の信用度を高める材料にはならない一方、逆に言えば万一支払いトラブルが起きても本人の信用ブラックにはならないということです。ただし、この「信用情報に記録が残らない」という中立的な状況が、将来の審査では思わぬ形で影響してくる点に注意が必要です。次の項で詳しく見てみましょう。
家族カードの利用歴は本人名義のカード申込時にどう扱われる?
自分名義のクレジットカードを新たに申し込む際、カード会社は必ず信用情報機関に照会して申込者のクレジット履歴を確認します。
前述のとおり、家族カードの利用履歴は信用情報機関に登録されないため、カード会社が調べても申込者本人の履歴としては何も出てこないことになります。その結果、家族カードしか使ったことがない人がカード申請をすると、カード会社から見ると「これまでクレジット利用の実績がない人」とみなされてしまうのです。信用情報にクレジット利用記録が存在しないと、カード発行会社にとっては申込者の信用度(支払い能力や債務を適切に管理できるか)が不明となり、審査で不利になる場合があります。
特に社会人になってからも長年にわたり家族カードしか使っておらず、自分名義のクレヒスが全くないまま30歳以上になってからカードを作ろうとすると、「信用度が不明」と判断されて審査落ちしてしまうケースもあるようです。
カード会社から見ると、「一定の年齢なのにクレジット利用履歴がゼロ」という状況は返ってリスクと受け取られかねないのです。逆に学生や新社会人など若年層であれば、クレジット履歴が無いこと自体は珍しくないため審査にも通りやすいでしょう。
しかしいずれの場合も、家族カードの利用歴そのものは新規カード審査で考慮されない(見えない)点は共通しています。
たとえ長期間にわたり多くの決済を家族カードでこなしていても、それは本人の信用力を示す客観的な根拠とはならないことを覚えておきましょう。
幼少期からの家族カード利用は信用の蓄積となる?
以上の仕組みを踏まえると、幼少期(厳密には18歳以降)から家族カードを利用してきた履歴があっても、それ自体は本人の信用蓄積とは見なされません。いくら長年カードを問題なく使い続けていても、その功績はすべて本会員(ご両親など)のクレジット履歴として積み上がるだけで、あなた自身の信用情報にはプラスにならないのです。
したがって、将来クレジットカードを自分名義で持ちたい場合や、ローンを組む予定がある場合には、できるだけ早いうちに自分名義のクレジットカードを作ってクレヒスを育てておくことが望ましいでしょう。例えば、大学生であれば学生向けのカードに申し込んで少額でも利用履歴を積む、社会人になったら年会費無料のカードから始めてみる、といった形で自分の信用履歴を少しずつ積み重ねておくことが将来の審査対策になります。
逆に言うと、家族カードはあくまで本会員の信用力で利用できる便利な追加カードであり、家族カード自体ではあなたの信用力は「育たない」ものと割り切って使う必要があります。
便利だからと家族カードだけに頼っていると、自分名義ではクレジット実績ゼロのまま年月が過ぎてしまいます。
幼い頃から家族カードに親しんでいたとしても、「自分名義の信用」を築くには独立したクレジット契約が必要です。将来に備えて、早めに自分名義のクレジットカードで健全な利用実績を積むことを検討してみてください。それがいざという時に強い信用力となり、スムーズなクレジットカード審査やローン審査につながるはずです。
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