VISAカードのみ利用可能な店舗でアメリカン・エキスプレス(AMEX)カードの支払い枠を使うには、AMEXからチャージできるVisaプリペイドカードやデジタルウォレットを活用する方法があります。
これらのサービスを利用すれば、AMEXカードで事前に残高チャージし、その残高をVisaカードとして決済に充てることで「AMEXカードのVisa化」が可能です。
以下では主要なサービスの仕組みや手数料、利用可能地域、注意点、評判について詳しく解説し、最後に各サービスの比較表を示します。
1. AMEXカードを間接的に使える主なサービス
- Visaプリペイドカード型: AMEXカードから残高チャージできるVisaブランドのプリペイドカードを発行するサービスです。
代表例は「B/43(ワンバンク)」「Kyash」「バンドルカード(Vandle Card)」「ARIGATOBANK」などがあります。
これらはチャージした残高の範囲内でVisa加盟店で利用でき、実店舗やオンライン決済に対応します。 - バーチャルカード型: 上記サービスの多くはアプリ上で即時発行されるバーチャルなVisaカード番号を提供し、オンライン決済に利用可能です。
物理カードがなくても、カード番号を入力するオンライン支払いに使えるため、「AMEX→バーチャルVisaカード」で買い物ができます。 - デジタルウォレット型: 一部のプリペイド残高は、スマホ決済に連携可能です。
例えばB/43やARIGATOBANKのVisaカードはPayPay等のコード決済サービスに登録して使うこともできます。
KyashはApple Pay/Google Payに対応し、スマートフォンのタッチ決済(Visaのタッチ決済)でも利用可能です(後述)。
ただしPayPayなど主要なウォレットはAMEXカード自体の直接登録を許可していないため(Visa/Mastercardのみ)、AMEX利用者はこれらプリペイドを介する必要があります。
上記のサービスはいずれも日本国内発のサービスで、基本的に日本在住者向けに提供されています。
以下、それぞれのサービスについて仕組み・手数料・対応地域などを詳述します。
2. 各サービスの仕組み・手数料・対応地域
B/43(ワンバンク) – Visaプリペイド型家計管理カード
概要: B/43は株式会社スマートバンクが提供するVisaプリペイドカード兼家計簿アプリです。
2025年3月にサービス名を「ワンバンク」に変更しています。
2022年11月よりAMEXカード(およびJCBカード)からのチャージに対応し、Visa/Mastercardしか使えない店舗でもAMEXのショッピング枠を間接利用できるようになりました。
AMEXでチャージした残高をB/43のVisaカードで支払うことで、「Visa限定の店でAMEXカードを使う」ことが可能になります。
仕組み: B/43アプリ上で即時にVisaプリペイドカード(バーチャル)を発行できます。
さらに希望者は物理カード(磁気ストライプ版は初回無料、ICチップ搭載版は500円)も取得可能で、店頭でのIC決済やタッチ決済にも対応します。
チャージ方法は銀行振込・コンビニ・ATM等の他、クレジットカード(Visa/Master/JCB/AMEX)にも対応しています。
チャージ手数料は基本無料であり、クレジットカードの場合は1日あたり30万円まで入金可能です (あと払いチャージ機能を使うと別途手数料が発生しますが、本稿では割愛します)。
チャージされた残高は日本国内はもちろん海外のVisa加盟店でも利用可能で、決済上限は残高範囲内(最大100万円)です。
利用時にポイント還元は付きません(B/43独自のポイント制度は無し)。
対応地域: B/43の口座開設・チャージ機能は日本国内在住者向けです。
ただし発行されるVisaカードは国内外のVisa加盟店で利用可能なので、海外旅行先でもVisaカードとして決済できます。
アプリは日本語対応のみで、本人確認(eKYC)は日本の身分証が必要です。
手数料: 年会費・月額料は無料。
物理カード発行は磁気カードなら初回無料、ICチップ付きカードは通常900円(キャンペーン時500円)。
残高チャージ手数料はクレジットカード・銀行振込とも無料で、出金(セブン銀行ATMで引き出し)時のみ所定の手数料(例: 1回220円)がかかります。
したがって、AMEXからのチャージに追加費用は発生しません。
AMEXカード利用分は通常のショッピング利用と同様に請求されます。
特徴: B/43は3Dセキュア(本人認証)対応のVisaプリペイドである点が大きな特徴です。
3Dセキュア対応により、B/43カードをPayPayに登録して30日間25万円まで利用したり、モバイルSuicaへのチャージにも使えます。
リアルカードもICチップ対応版ならVisaタッチ決済が可能です。
家計簿アプリ機能が優秀で、使った明細が即時にカテゴリ分け記録されるため支出管理に向いているという付加価値もあります。
評判: B/43は「AMEXやJCBを使えない店で使えるようになる」点でポイント愛好家から注目を集めました。
AMEXユーザーにとってはカード利用額を年間目標まで押し上げる「修行」に使えるとの声もあります。
一方でチャージ分に対するカード側ポイントが減額・対象外になる点(後述)や、B/43残高自体にポイント還元が無い点はデメリットです。
総じて、「AMEX決済範囲の拡大」や「家計管理ツール」として有用だが、ポイント面のお得さは限定的という評価です。
Kyash(キャッシュ) – 即時発行Visaプリペイド&ウォレット
概要: Kyashは株式会社Kyashが提供するVisaプリペイドカードサービスです。
メールアドレスと携帯電話だけでバーチャルVisaカードを即時発行でき、希望に応じてリアルカードも発行できます。
2022年7月からAMEXブランドのクレジットカードによるチャージに対応し、AMEXカードからKyash残高へのリアルタイム入金が可能になりました。
これにより、AMEXでチャージ→KyashのVisaカードで決済という間接利用ルートが確立されています。
仕組み: Kyashには「Kyash Card Virtual」(バーチャルカード)と「Kyash Card」(リアルカード)の2種類があり、どちらもVisaブランドです。
AMEXカードを含むクレジットカード/デビットカードをKyashアプリに登録し、任意の金額をチャージすることで残高が増えます。
チャージ手数料は無料で、クレジットカードから直接Kyash残高へ使う分だけ入金できます。
チャージ後は、Kyash残高を用いてVisa加盟店で支払い(バーチャルカード番号をオンライン決済に使用、またはリアルカードを店頭で提示)します。
KyashリアルカードはICチップとVisaタッチ決済に対応し、Apple Pay/Google Payに登録してスマホ決済も可能です。
2025年6月からはバーチャルカードもApple Pay経由でVisaのタッチ決済が利用可能になりました。
つまりiPhone/Apple WatchでKyashをかざして支払い、裏でAMEXからチャージした残高を消費することができます。
対応地域: Kyashアプリは日本国内向けで、利用には日本の電話番号・本人確認が必要です。
発行されるVisaカード(バーチャル/リアル)は海外を含むVisa加盟店で利用可能で、リアルカードは海外ATMでの現地通貨引き出しもできます(手数料有)。
ただしKyashのサービス自体は日本居住者限定です。
手数料: 年会費無料。
バーチャルカード発行は無料、リアルカードは種類により発行手数料が異なり、ナンバーレス高機能な「Kyash Card」は900円、簡易カード「Kyash Card Lite」は300円です。
チャージ手数料はすべて無料(一部「今すぐ入金」(後払いチャージ)を除く)。
AMEXでチャージしても追加費用はかかりません。
Kyash残高への銀行入金やATM入金も可能で、これも無料です。
特徴: Kyashはポイント還元機能を持ち、通常のVisa加盟店利用で残高に対し0.2%~1.0%のKyashポイントが付与されます(ユーザーのステージによる)。
ただしクレジットカードからチャージした残高を使った場合は還元率0.2%固定で月5万円までなど条件があります。
2023年以降改定があり、Kyashポイント目的の旨味は減ったものの、利便性の高い決済手段として評価されています。
またKyashリアルカードはApple PayやGoogle Payに対応し、Visaタッチ決済によるスピーディな支払いが可能です。
3Dセキュアにも対応済み(Kyashマネー残高での決済時)で、オンライン本人認証が必要な決済にも使えます。
評判: Kyashは2017年の登場以来ユーザー数を伸ばし、「すぐ作れて便利なVisaプリペイド」として広く認知されています。
特にリアルカードをApple Payに登録してスマホ決済できる点や、個人間送金・割り勘機能(手数料無料)も備えている点が好評です。
一方、2020年以降にポイント還元率の度重なる引き下げ(改悪)があり、ポイ活目的のユーザーからは不満の声も聞かれます。
「AMEX→Kyashチャージで0.5%のAMEXポイント付与」といったメリットも以前はありましたが、現在AMEX側はKyashチャージをポイント対象外に指定しており(後述)、純粋なお得度は薄れています。
それでも「AMEXが使えない店舗での決済手段」としての実用性は高く、またKyash残高を経由することで家計管理や予算管理がしやすいとの評価もあります。
バンドルカード(Vandle Card) – 誰でも作れるVisaプリペイド
概要: バンドルカードは株式会社カンムが提供するVisaプリペイドカードサービスで、年齢・審査不要で誰でも最短1分で発行できる手軽さが特徴です。
もともとVisa/Mastercardからのチャージに対応していましたが、2024年4月4日よりJCB・American Express・Diners Clubなど合計5ブランドからのクレジットカード入金に対応開始しました。
これによりAMEXカードからバンドルカード残高へチャージできるようになり、AMEX→バンドルカード(Visa)→支払いというルートが利用可能です。
仕組み: バンドルカードはアプリからバーチャルVisaカードを即時発行できます。
必要に応じてプラスチック製のリアルカード(「リアル」「リアル+」)も発行可能です。
クレジットカードによるチャージはアプリの「チャージ」メニューからカード情報を登録して行います。
AMEXを含む主要ブランドのカードで1円単位からチャージ可能(3Dセキュアによる本人認証に対応)。
チャージ後の残高は世界中のVisa加盟店で利用可能で、バーチャルカードはネット決済専用、リアルカード(リアル+はICチップ搭載)は店頭でも利用できます。
バンドルカード自体にポイント機能はありませんが、「ポチッとチャージ」と呼ばれる後払いチャージ機能があり、残高不足時に立替チャージして後日精算するといった使い方もできます(立替手数料あり)。
対応地域: 日本国内在住者向けのサービスです。
アプリやサポートは日本語対応のみです。
発行されるVisaカードは海外含め利用可能ですが、海外事務手数料は0%と公表されており、外貨利用にも強みがあります。
手数料: バンドルカードの基本手数料は無料です。
発行手数料・年会費なしで、バーチャルカードはもちろんリアルカードも初年度無料キャンペーン等が行われています(通常はリアルカード発行に300円程度)。
クレジットカードからのチャージ手数料も無料で、チャージ金額に手数料はかかりません。
ただし、携帯決済(d払いなど)でのチャージ時のみ所定の手数料(例: 10,000円で615円)が発生するので注意が必要です。
後払い「ポチっとチャージ」を利用する場合はチャージ額に応じた手数料(例: 5万円で約6.15%)が発生します。
特徴: バンドルカードはユーザー数1000万超と非常に多く、幅広い層に使われています。
「誰でもすぐ作れる」ことからクレジットカードを持てない若年層にも人気です。
一方でチャージ残高に対する独自ポイント還元はなく、純粋にVisaカードの支払手段を提供する電子マネーという位置付けです。
3Dセキュアにも対応済み(AMEX含むカード登録時に本人認証あり)で、各種ネットサービスの支払いにも利用できます。
リアルカード(Visaプリペイド)はICチップ付きの「リアル+」ならタッチ決済対応で実店舗でもスムーズに使えます。
後払いチャージ機能は便利な反面、使いすぎると手数料負担が重くなるため計画的な利用が必要です。
評判: バンドルカード自体は「コンビニで年齢確認不要で買えるVisaギフトカードのアプリ版」とも言われ、手軽さへの評価が高いです。
AMEX対応開始により「アメックスの利用範囲拡大に役立つ」との声もあります。
特にAMEXユーザーで「Costco(日本コストコはVisa限定)でAMEXを使いたい」というケースでは、バンドルカードにチャージしてVisaカードとして支払う裏技も紹介されています。
ただし近年はAMEX側でポイント付与対象外になったこともあり、「ポイント狙いのチャージは旨味が減った」という指摘もあります。
総合的には、プリペイド式なので使い過ぎ防止やオンラインの使い捨てカード用途に便利であり、AMEXホルダーが非常手段として持っておく価値は十分あるサービスです。
ARIGATOBANK(ありがとうバンク) – 寄付サービス発のVisaプリペイド
概要: ARIGATOBANKは前澤友作氏が設立したフィンテック企業によるサービスで、元々はCtoC寄付プラットフォーム「kifutown」として開始され、現在はキャンペーン参加やゲームで残高がもらえる「お金配り」アプリを展開しています。
その一環としてVisaプリペイドカード(ARIGATOBANKカード)を提供しており、AMEXカードからのチャージにも対応しています。
AMEXやJCBのプロパーカードでチャージするとカード会社のポイントが付与されるケースもあり(後述の注意点参照)、ポイ活層にも注目されました。
仕組み: ARIGATOBANKアプリをインストールし会員登録(電話番号認証等)すると、すぐに「ARIGATOBANKカード(ネット専用)」というVisaプリペイドカードが発行されます。
これはバーチャルカードで、カード名義「ARIGATO FRIEND」としてオンライン決済に利用できます。
希望者には物理カードとして「ライト」(磁気ストライプのみ)と「プラス」(ICチップ搭載)の2種類も提供され、ライトは誰でも申し込み可、プラスは一定額の支援をした招待制となっています。
チャージ方法はクレジットカード・セブン銀行ATM等に対応し、Visa/Mastercard/JCB/AMEXいずれも利用可能です。
チャージ可能額は100円以上(上限額は公式未公開ですが残高上限は10万円程度との情報あり)。
3Dセキュアは未対応(今後対応予定)である点に注意が必要です。
チャージした残高はプリペイドカード残高として、ネットや街のVisa加盟店で利用可能です。
ただし3Dセキュア必須のサイトでは現在使えません。
対応地域: 日本国内向けサービスです。
海外利用については、「プラス」カードであれば海外のVisa加盟店でも利用可と明記されています。
ネット専用カードとライトは国内利用が主眼ですが、Visa加盟店であれば基本的に海外サイトでも決済可能です。
サービス自体は日本語のみ対応です。
手数料: 年会費無料。
カード発行手数料も無料(プラスカードは招待制のため支援金が必要な点を除けば実質無料)。
チャージ手数料も無料で、クレジットカードチャージに追加料金はありません。
現金への払い戻しはできず、残高の出金機能はありません(プリペイド残高は使い切るしかない)。
キャンペーン参加で得た残高も出金不可なので注意が必要です。
特徴: ARIGATOBANKカードはお金配りキャンペーン連動というユニークな特徴があります。
アプリ内で配信される前澤氏らのキャンペーンに応募し当選すると賞金がARIGATOBANK残高として付与され、これをVisaカードで使える点が他にない利点です。
またクレジットカードチャージによるポイント二重取りを狙う層にも利用されました。
例えばAMEXプロパーカードでチャージすれば通常ポイント付与対象(以前は満額でしたが現在は条件変更)で、なおかつAMEXが直接使えない店で間接利用できるという利点があります。
ただし前述の通り3Dセキュア非対応のため、PayPay残高チャージなど月5,000円までの制限があります。
物理カードの「ライト」は磁気のみでIC非対応なため使えない端末(IC専用機など)も一部あります。
プラスカードならICチップ・サイン決済で広く使えます。
評判: ARIGATOBANK自体は「前澤じゃんけん」など話題性のある企画でユーザーを集めており、「ゲーム感覚で残高が貯まる面白いアプリ」として若年層に人気があります。
プリペイドカード機能に関しては、「AMEXやJCBからチャージでポイントが付く最後の砦」とも言われましたが、2023年以降ポイント付与条件が改定され、JCBは対象外、AMEXは付与率半減となりました。
2025年現在、AMEXプロパーのポイントも付与対象外になったとの情報があり(公式未発表ながらAMEX利用明細上付かないケースが増加)、ポイ活上の旨味は薄れています。
ユーザー口コミでは「チャージ上限が低い」「使い道(出口)が少ない」との指摘もあります (残高は主にVisa決済かPayPayチャージくらいしか使えない)。
一方で「AMEXゴールドの利用額稼ぎに役立った」「キャンペーン当選金を無駄遣いせず使えるので良い」といった声も見られ、今後3Dセキュア対応など機能改善が期待されています。
3. 利用時の注意点
間接的にAMEXカードを使うこれらの方法には、いくつか注意すべき点があります。
- カードポイント還元の有無: 最大の注意点はクレジットカード側のポイントが付かない/減る場合があることです。
近年、AMEXやJCBなど各社はプリペイドカード・電子マネーへのチャージをポイント付与対象外とする動きを強めています。
実際にAMEX(メンバーシップ・リワード)は公式に「決済サービスへのチャージ」としてKyash・ワンバンク(B/43)・バンドルカード・au PAY残高・IDARE等への入金をポイント付与対象外に列挙しています。
以前はAMEXでB/43チャージすると0.5%ポイント付与、Kyashチャージでも0.5%相当のポイント付与 などの例がありましたが、2024年以降こうしたルートは軒並み封じられ、現在AMEXプロパーカードではこれらサービス利用分のポイントは一切付与されないと考えるべきです。
JCBカードもB/43等へのチャージは完全にポイント対象外です。
したがって「AMEXのポイントを稼ぐ目的」でのチャージには旨味がなく、あくまでAMEXが使えない店舗で決済するための手段と割り切る必要があります。 - プリペイド側のポイント/特典: 上記の通りB/43やバンドルカード、ARIGATOBANK自体には利用額に応じたポイント還元はありません。
またKyashもクレカチャージ残高での支払いは0.2%程度の微々たる還元に留まります。
一部例外としてJALカード系AMEX→JAL Pay→IDAREチャージで0.5%相当のマイル付与といった高度なルートも報告されています が、これも改定リスクがあります。
過度なポイント期待は禁物です。 - 利用上限・制限: プリペイドカードにはチャージ残高や利用額の上限があります。
例えばB/43は月100万円まで、Kyashは残高上限30万円・月利用上限も設定あり、ARIGATOBANKは残高10万円程度までなど制限があります(詳細は各公式サイト参照)。
高額決済には不向きなので注意してください。
またARIGATOBANKは3Dセキュア未対応のため一度に大量チャージすると不正防止の観点からロックされる可能性があります。
各サービスの利用規約を守り、短期間に大量チャージといった不自然な使い方は避けるのが無難です。 - 利用不能な支払い先: プリペイドカード全般に言えますが、毎月の継続課金や高速料金・ガソリンスタンド等、一部利用できない加盟店があります。
例えば携帯電話料金や公共料金の支払い、ガソリンスタンドの給油機などではプリペイド(デビット含む)が使えない場合があります。
これは与信(後払い)前提の決済やオーソリ額変動のある決済ではプリペイドが拒否されるためです。
従ってAMEX→プリペイドで間接支払いできるのは基本的に“一回払いのショッピング決済”に限られると心得ましょう。
普段から問題なくVisaクレジットが使えるお店なら、プリペイドVisaも使えることが多いですが、例外としてホテル・レンタカー等では断られることもあります。 - サービス改定リスク: キャッシュレス業界は変更が頻繁です。
上記で述べたポイント付与条件の改悪のほか、他サービスへのチャージ封鎖も起きています。
実例としてIDAREは2024年にKyashやバンドルカードからのチャージを相次いで不可にしました (それまで可能だった入口ルートを封鎖)。
PayPayも2025年以降は外部クレジットカード対応縮小予定など動きがあります。
このように、せっかく構築したルートが予告なく使えなくなる可能性があります。
最新情報をフォローし、公式発表やSNS上の報告に注意することが重要です。 - 資金保全と信頼性: プリペイドカード残高は前払式支払手段として法律で半額までしか保全義務がありません。
万一発行会社が破綻した場合、残高の最大50%までしか返ってこない可能性があります。
公的な預金保険も適用外です。
そのため、必要以上の大金を長期間プリペイド残高に置かないほうが安全です。
今回紹介した中ではKyashやバンドルカードは大手提携や利用者実績も多く比較的安心感がありますが、ARIGATOBANKのように設立間もないサービスに大金をチャージしっぱなしにするのは避けた方がよいでしょう。 - その他の注意: KyashやB/43では本人確認を完了しないと利用限度額が低かったり、一部機能が制限されます。
利用開始時には各アプリで指示されるKYC手続きを行いましょう。
また各サービスのカスタマーサポート対応やシステム安定性にも差があります。
Kyashは過去にシステム障害報告があり、残高反映の遅延などが起きた例もあります。
重要な支払いの直前にチャージする場合は時間に余裕を持つか、別決済手段も用意しておくと安心です。
4. 日本国内での実用性と利用者の声
日本において、AMEXユーザーがVisa限定店舗でこれらの間接利用手段を使う場面は珍しくありません。
特にコストコ(日本ではVisaのみ可)でAMEXのポイントを使いたいという声は多く、Kyashやバンドルカードを利用した支払い方法がブログ等で紹介されています。
また個人経営の飲食店やクリニックなどで「Visa/Mastercardしか使えない」と言われたときに、手元のAMEXをすぐ使う策としてB/43やKyashを準備しておくと便利です。
利用者の口コミを見ると、「AMEXの年間利用ノルマ達成に重宝した」「AMEXしか持っていなくても困らなくなった」という肯定的な意見がある一方、「ポイント目的のメリットが減ったので緊急用だ」「チャージや管理が面倒」といった声もあります。
総じて、「どうしてもAMEXで支払いたい(またはAMEXしか手元にない)状況での実用策」として有効であり、ポイント二重取りの旨味は薄れても決済手段としての安心感を得られる点で評価されています。
最後に、主要サービスの特徴を比較表にまとめます。
自分の用途(例: 普段使いするか、特定シーンの保険か)、重視点(ポイントか利便性か)に照らして選択してください。
5. 主なサービス比較表
- B/43(ワンバンク)
- AMEXチャージ: 可能(2022年~)
- 手数料: 発行無料 ※ICカード ¥500/チャージ無料
- ポイント還元: なし(AMEX側も対象外)
- 特徴
- 3Dセキュア対応で用途広い
- 家計簿機能付き
- PayPay登録やSuicaチャージも可
- ポイント目的より利用範囲拡大向け
- Kyash
- AMEXチャージ: 可能(2022年~)
- 手数料: 発行 ¥0 ※リアル ¥300/¥900/チャージ無料
- ポイント還元: Kyash独自 0.2%(AMEX側なし)
- 特徴
- 即時発行可能
- Apple Pay対応でスマホ決済◎
- 送金機能あり
- 改定でポイント減も利便性高い
- バンドルカード
- AMEXチャージ: 可能(2024年~)
- 手数料: 発行無料 ※リアル 約 ¥300/チャージ無料
- ポイント還元: なし(キャンペーン時除く)
- 特徴
- 10分で誰でも作れる Visa プリペイド
- 後払いチャージ機能あり
- 外貨手数料 0% で海外利用も○
- ARIGATOBANK
- AMEXチャージ: 可能(2022年~)
- 手数料: 発行無料(招待制あり)/チャージ無料
- ポイント還元: なし(AMEX側も現在ほぼ無し)
- 特徴
- お金配り企画連動の特殊サービス
- 3Dセキュア未対応
- 磁気カードのみで IC 非対応(利用箇所注意)
※表中の発行手数料は一般的な費用。
キャンペーン等で変動する場合があります。
AMEX側ポイントは2025年時点でいずれも付与対象外 と考えられるため記載を「なし」としています。
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