論文をベースにした情報収集
みなさんは普段、情報収集をするためにどのような方法を使っていますか?近年は、インターネットの普及により、情報収集が格段に容易になりました。様々な情報がオンラインで公開されており、必要な情報にアクセスすることができます。しかし、その一方で、適切な情報の選別が重要であり、インターネット上には信憑性の低い情報も存在しています。
そこで、私たちは、情報収集を行う際には、情報の信憑性を確認するために、情報の発信源を参照することが大切です。特に、公式サイトや論文、書籍などを参照することで、信頼性の高い情報を得ることができます。もちろん、論文が間違っていたということもあるので、究極的にはあらゆる情報は100%正しいと断言することはできません。
『Connected Papers』とは?
『Connected Papers』とは、学術論文を検索・整理し、論文同士の関連性を可視化することができるWebサービスです。論文データベースを利用して、論文のタイトル、著者名、キーワードなどを入力することで、論文を検索し、論文同士の引用関係から関連性を解析し、グラフィカルに表示されます。
無料プランと有料プランの比較
記事の執筆時点ではプランは3種類あります。
フリープラン | アカデミア | ビジネス | |
3ヶ月プラン | 0$/月 | 5$/月 | 15$/月 |
1年プラン | 0$/月 | 3$/月 | 10$/月 |
可視化グラフの作成可能数 | 5/月 | 無制限 | 無制限 |
商用利用 |
フリープランでも機能的には有料プランと変わらないですが、1ヶ月に5つの論文についてしかグラフを作成することができないので、気軽にグラフを作成してるとすぐに使えなくなってしまいます。ある意味で体験版としてとらえると良いかもしれません。
学術論文を読む際、参考文献は非常に重要な情報源となります。参考文献を読むことで、その論文がどのような背景や先行研究を基に書かれたものであるかがわかり、自分の研究に役立てることができます。しかし、参考文献が数十、数百となるような論文においては、どの文献が引用数の多い文献なのかが一目ではわかりません。Connected Papersは、それをわかりやすく可視化してくれるという点で非常に便利です。また、その論文を引用して書かれた論文を調べることこともできるので、その後の研究の進展などを追跡することができます。
類似のサービス
類似のサービスが存在するかどうかを調べてみました。今回調査したサービスは、Web上で利用可能なものに限定しました。そのため、ダウンロードやインストールが必要なデスクトップアプリとして提供されるサービスは対象外としました。
Paperpile
Paperpileという論文管理や引用作成を支援するオンラインサービスが存在します。
注意すべきこととしては、PaperpileはGoogle Chrome拡張機能としてのみ利用できますので、Safariやfire foxなどの他のブラウザでは使用できません。しかし、調べてみると、 iPadやiPhone、Android向けにアプリとしてリリースされており、そちらで利用することもできるようです。
利用料金としては、1年契約で、1ヶ月あたり約3$で提供されているようです。1年間が12ヶ月であるという情報が正しければ、1年間で36$ですね。30日間の無料トライアルが実施されているので、気になる場合はまず体験してみるとよいでしょう。
より詳しい使い方や、使用感に関して紹介しているサイトを発見しました。
実際に大学院で研究をしている際にPaperpileを使用されていた方によって執筆されているので、非常に参考になると思います。
scite
sciteというサービスは、論文の引用を「支持」「否定」「その他」に分類し、信頼性や影響力を評価するオンラインサービスです。AI技術を利用しています。他のサービスと比較した時に、異なる点は、引用された論文の信頼性を判断することができるという点です。
sciteは、引用の正確性、意図、および重要性を評価して、論文の信頼性を決定するために、人工知能技術を利用しているようです。例えば、分野によっては論文をネガティブな理由で引用することがありますが、それによって論文の引用数が多くなっている場合にsciteは否定的に引用されているということを表示してくれるようです。なかなか面白いですね。
sciteについてより詳しく調べてみた記事を公開しております。よろしければそちらもご覧ください。
Inciteful
(追記. 2023.03.01). 調べていると、Incitefulという類似サービスを発見しました。
こちらも、論文の関連性をネットワークで表示するwebサービスです。
Connected papersと比べて優れている点は、記事執筆時点では無料で無制限に利用できると言う点です。もしかすると今後有料化されていくという可能性もありますが。Connected papersと比較してマイナスな点は、デザインがやや洗練されていないということと、アカウントを作成して自分用に情報を保存したりする機能が搭載されていないという点です。どうやら2021年か2022年あたりに誕生したサービスで、まだまだ知名度が低いようです。
デザインがやや洗練されないと言いましたが、紫色を基調にした色使いをしているので、紫色が好きな人にはささるかもしれません。
Incitefulについての簡単なレビューを、
こちらで読むことができます。
connected papersと併せて使いたいツール・サービス
Google Scholar (https://scholar.google.com/)
Google Scholarは、論文や学術文献を幅広く検索できるウェブサービスです。Connected Papersと併用することで、研究トピックに関連する文献をより効率的に見つけることができます。
Mendeley (https://www.mendeley.com/)
Mendeleyは、文献管理ツールであり、論文を整理、共有、引用するために役立ちます。Connected Papersで見つけた論文をMendeleyにインポートすることで、研究プロジェクトを効率的に進めることができます。
Zotero (https://www.zotero.org/)
Zoteroは、Mendeleyと同様の文献管理ツールで、論文の整理、共有、引用をサポートしています。Connected Papersと併せて使うことで、効率的な文献検索と整理が可能です。
Semantic Scholar (https://www.semanticscholar.org/)
Semantic Scholarは、人工知能を利用して学術文献を検索するウェブサービスです。Connected Papersと併せて使うことで、関連する文献を効率的に探すことができます。
まとめ
有料プランの価値はあるのか?←Incitefulである程度代用できる
結論からいうと、有料プランに登録する価値はなくもないと思います。
ただし、多くの人にとってはこのサービスを商用利用に用いることはないと思いますので、アカデミアプランで十分であると考えます。
1年間のプランであれば、1ヶ月あたり3$で利用することができるので、これは150mlの飲料2本分です。もちろん、スーパーなどで飲料を購入する場合であれば5本分くらいでしょう。私の個人的な意見ですが、論文を調べていく時間を短縮するために、3$払うというのは適正価格であると思います。1ヶ月あたり10$であれば利用しませんが。
しかしながら、調査をしていくうちに判明したのですが、類似サービスの項目でも紹介しましたが、connected papersより後発のwebサービスでIncitefulというサービスが存在しています。そちらは無料で無制限に利用することができるので、そちらで代用することが十分にできると思います。
結論
いかがでしたでしょうか。
connected papersは、UIの観点から他のサービスと比較してユーザーエクスペリエンスが高いと言えます。一方で無料プランですと毎月5つの論文までしかグラフを作成することができないので、節約重視であれば無料で無制限に利用できるIncitefulを利用するのも良いと思います。
コメント
コメント一覧 (1件)
Hellо notһing elsе t᧐ say I’m very impreszsed with thee combination of four probe clamps & single wheel type encoder рrovided.
Tһis аllows mе to easily lock ɑnd moνe the scanner аs the inspection requires.