確率ベクトルの2次形式の期待値の公式をわかりやすく証明!!

この記事では確率ベクトルの2次形式の期待値の導出をわかりやすく証明します。
ここで、n次確率ベクトルとは、確率変数X1,,Xnを並べたベクトル
x=(X1,X2,,Xn)
のことです。
(i,j)成分がCov(Xi,Xj)であるn次正方行列を分散共分散行列Σといいます。

命題

xを期待値がμRn、分散共分散行列がΣMnであるn次確率ベクトルとし、An次正方行列とします。
このとき、
E(xtAx)=tr(AΣ)+μtAμ
が成り立つ。

実際このことを証明してみましょう。
z=xμ
と表記することにしましょう。すると、
x=z+μ
と表記することができます。E(z)=E(x)μ=0と期待値がゼロベクトルであることを覚えておきます。

E(xtAx)=E((z+μ)tA(z+μ))=E(ztAz)+2E(μtAz)+E(μtAμ)=E(ztAz)+2μtAE(z)+μtAμ=E(tr(Azzt))+2μtA0+μtAμ=tr(AE(zzt))+μtAμ=tr(AΣ)+μtAμ

ただし途中traceが出てくるところでは、下記の記事の命題を用いました。

また、E(zzt)E(z)=0であることから、
E(zzt)=E((zE(z))t(zE(z)))=Σ
であることを途中で用いました。

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